F-netについて
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防災科学技術研究所は,平成6年度にスタートした特別研究「地震素過程と地球内部構造に関する総合的研究」
(フリージア計画:Freesia = Fundamental Reserach on Earthquakes and Earth's Interior Anomaly)
に基づいて, 日本全国に広帯域地震観測網の整備を開始しました。
一方,平成7年の阪神・淡路大震災を契機に発足した地震調査研究推進本部は,平成9年8月29日に,
「地震に関する基盤的調査観測計画」を決定しました。
そこで示された基本方針は以下の様なものです。
基本目標:地震による災害の軽減に資する地震調査研究の推進
目的
- 地震の解明及びそれに基づく地震の発生予測
- 地震動の解明とそれに基づく地震動の予測等
施策:総合的な調査観測計画の中核として,以下の基盤的調査観測を推進する。
- 地震観測
- 陸域における高感度地震計による地震観測
- 陸域における広帯域地震計による地震観測
- 地震動(強震)観測
- 地殻変動観測(GPS連続観測)
- 陸域及び沿岸域における活断層調査
フリージア計画は,上記施策のうち,「陸域における広帯域地震観測」に引き継がれることになりました。
平成12年度をもって,特別研究「地震素過程と地球内部構造に関する総合的研究」は終了しましたが,
フリージア計画で整備された広帯域地震観測網は,
地震調査研究推進本部の施策の一部として整備された広帯域地震観測網(いわゆる「基盤」観測網)と合わせ,
引き続き防災科学技術研究所がその整備と運用を担当することになっています。
平成13年度から,データ収集方式を
Hi-net(高感度地震観測網)
に準拠した方式に変更して,観測網の名称を
Hi-net ,
KiK-net
等に合わせる形で「F-net (Full Range Seismograph Network of Japan)」に変更しました。
広帯域地震計と(速度型)強震計からなるF-netは,
その名の通り地震によって発生するほとんど全ての地震動を記録することが可能であるため,
得られる観測データは地震の発生メカニズム解明等に広く利用されており,
今後,地震の解明に大きく貢献することが期待されています。
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